そのシミ、いりますか?

2018.05.22

5月になり日差しの強い日も増えてきました。“日焼けをするとシミができる”、“紫外線は肌によくない”、というのも今は常識で、日焼け止めの数値を気にしたり、時間が経ったら塗りなおしたり、という方も多いのではないでしょうか。

 

肌の老化の原因は90%が紫外線によるものです。年齢その他が10%。そう考えると、こんなに気をつけているお顔の肌と、場合によってはノーケアのおしりの肌との色やしわの違いに納得がいきます。

 

私自身も日焼け止めを日常的に塗り始めたのは大学生の時、と遅かったのですが、多分それよりもっと前の世代の方は、日焼けしてつやつやの肌が美しいとされていて、こぞって海で焼いたりしていたはず・・・。その時のつけが、今、回ってきていませんか?

 

最初はそばかすみたいでチャームポイントだったのが、なんだか濃くなって増えてきてファンデで隠すようになり、コンシーラーになり、いまやそれでも透けてみえてしまう。

そうです、シミって案外隠せていません。

遠目で見たらいいのですが、明るい室内、日光のまえでは周りの人間にはみえるのです、ああシミを隠して厚塗りしているな、と。中にはたかが一個のシミのために、お化粧を塗り重ねて顔色まで悪くみえる方もいます。

もったいないと思いませんか?

シミさえなければ、ファンデーションをさっと塗っただけでとってもキレイな肌なのに。

カバー力のあるコンシーラーを求めてデパートのコスメカウンターを回る努力、毎朝均一にしみを塗り隠す努力、それよりシミを取る施術を受けるほうが案外簡単かもしれません。もちろん根本的な解決になります。

 

ではどんな治療を受けたらシミはとれるのか?一回で取れる?高いのでは?色々気になる点があると思いますが、それにはまずシミの種類を判断する必要があります。

「シミ」というのは医療用語ではありません。肌に出来る茶色い斑点をそのように一般に表現しているだけで、原因も性質もいろいろあります。

 

※シミの種類

 

  • そばかす(雀卵斑)

基本的には幼少時から頬や鼻にぱらぱら散らばったようにできる数ミリ大の褐色斑で、遺伝性があり、特に白色人種に多いものです。赤毛のアンをイメージして頂くと分かりやすいですね。紫外線に当たることで色が濃くなります。

 

  • 老人性色素斑

紫外線が長期間肌に当たることにより皮膚が傷害されてできる褐色斑で、大きさは様々です。主に日に当たる顔や手の甲に良く出来ます。たいてい周りとの境界がはっきりしています。一般的にシミのお悩みの方はこれが大多数です。徐々に大きくなり、色味が濃くなり厚みが出て来ることが多いです。紫外線に当たった後一時的に色味が濃くなることもあります。

 

  • 肝斑

両頬や額の中央、鼻の下、などに対称性にでき、境界がはっきりしない、もやもやとした広範囲の褐色~灰褐色斑です。女性に多く、妊娠後に悪化したり30~40代に発症することが多いため女性ホルモンが関係あるといわれていますが、男性にもできます。紫外線によっても濃くなりますが、力がかかりやすい骨の上に出来ることから摩擦が大きな悪化要因であると知られています。60代以降自然に改善することもあります。

 

  • 炎症後色素沈着

ニキビの痕や虫刺され、怪我、湿疹のあとなど、炎症を伴う肌の変化に紫外線や摩擦が加わることによって褐色になることをさします。基本的には半年以上かけて徐々に薄くなる事が多いのですが、炎症自体が強い場合や傷の管理がよくない場合、消えない事があります。アトピー性皮膚炎などで肌が黒い場合も主にこれです。

 

  • ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

主に20~30代で発症する褐色から青褐色のシミです。部位、形、色も様々で、肝斑や老人性色素斑との鑑別が難しいこともあります。額の両側、頬、鼻、などにできます。多くのシミと違い、紫外線に影響されることはありません。その名の通り、真皮という皮膚の中ではやや深い層に存在するため、色味がやや灰色がかっていることが多いです。

 

  • その他(母斑など)

母斑とは“あざ”、という意味ですが、ぶつけてできるあの青い“あざ”とは違います。先天性にできる色素斑のことですが、様々な種類があり、美容皮膚科にシミのご相談でいらっしゃる場合、とても多いのが扁平母斑です。

円形から楕円形で境界がはっきりした薄い褐色斑であることが多いです。こちらは治療が効かないものの割合が多く、全員の方に治療をお勧めするわけではありません。

 

さて、ここまで簡単にシミの種類を書いてみましたが、ご自分で私のシミはこれだ!と分かる方は少なかったのではないでしょうか?シミの治療にも種類がありますが、シミの種類によって受けられるもの、効かないものがありますから、まずはシミの診断をする必要があります。テープを貼らなくてもいいものにしよう!と決めてきて頂いても、まずそのシミには効きません・・・という事もありますので、まず一度ご相談下さい。

 

当院のシミ治療は、Qスイッチルビーレーザー(高出力・トーニング)、フォト、エレクトロポレーション、トレチノイン・ハイドロキノンと種類もありますので、詳しくご説明いたします。